SANAA展「環境と建築」 ギャラリー・間

10/22からTOTOギャラリー•間ではじまったSANAA展「環境と建築」。本来ならば去年の5月にスタートしていたはずの展示会であったが、コロナによる影響もあり、1年越しの開催となった。ギャラリー・間でのSANAA展は今回で2回目となり、今回は現在進行中のプロジェクトが模型を中心的に展示されている。

入り口を入ってすぐの部屋では、プロジェクトの全体像がわかるような模型が部屋全体を埋め尽くしてる。《香川県立体育館》などプロポーザルを経て設計している国内のビックプロジェクトも、ニューサウスウェールズ博物館の増築計画である《Sydney Modern Project》やハンガリーの国立ギャラリーの計画である《New National Gallery》など海外プロジェクトなど、世界中で展開しているSANAA建築のいまを垣間見ることができる。

いづれのプロジェクトにおいても、SANAAらしいと思える建築が様々なスケールで展開している。造形もそうなのだけれど、模型の表現の仕方を切り取ってもSANAAらしいと思えるほど、SANAAの影響力の高さを感じた展示でもあった。特に樹木の表現の仕方など、どこか懐かしさかしさを感じた。(学生の課題がいかにSANAAの影響を受けているかを感じる場間面でもあった。)

このフロアには、模型の展示に加えて、SANAAのコンプリートブックスなるものの見本が置かれている。これは、これまでのSANAA建築を網羅する3巻からなるもので、12月に発売されるらしい。完成したプロジェクトもや進行中のプロジェクトもそうだが、実現しなかったプロポーザルの応募案も載っていてSANAAのすべてが詰まったような本になりそう。

上階は一転して、細部を切り取ったような巨大な部分模型が大半を占めている。人の身長を超えるような実寸大のスケールのものがあったり、模型が室内をとことん埋め尽くしている。

ここでは、曲面や曲線が多く使われているSANAA建築の裏から支えている肝となる部分を見ることができる。こうやって骨組みだけをみると中々にいかつく見えるが、竣工したときにそう見せない技術はすごいと思う。

世界中に名の知れている建築家であるが、次々と新しいプロジェクトで新しい試みをしている姿に触れると、計り知れないほどの刺激を受けることができる。12月出版される完全版ともいえる作品集も楽しみになる。

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