色々と変化もあった2018年が終わり2019年を迎え、いよいよ卒業設計も佳境に入ってくるかなと感じています。これまでの設計課題の集大成としての卒業設計を考えたとき、提出することよりもこれから建築をやっていくことで、何を考えどういう建築を行っていきたいかを考えることが何よりも重要だと改めて感じているところです。これまで、バラバラの課題で考えた敷地も違うプログラムも違う建築であっても、どこか自分の信条のようなものが根底にあって、何か共通するものがあります。そうしたものを深く掘り下げて、自分はどういう側面から建築に向き合い考えていくかを改めて向き合う場が卒業設計だと思います。そういう面があるからこそ、「考える」ことに時間をかけすぎて、表現にあまり時間をかけれなくなってしまうことがあるのも卒業設計なのかなと思います。
そういうことを考えると目的に応じて卒業設計に対してのスタンスは大きく変わるかなと思います。自分の中で整理をし、将来を考えてやりたい建築の方向性を見極めるためであれば、より多くの時間を考え整理することに割けばよく、多くの人に(卒業設計展などを通して)自分の持つ思考を発表することが目的であれば、模型やパース、ダイアグラム、プレゼンなどの表現に時間をかける必要があります。
自分としてはそのどちらも必要かなと思うとどうしても、うまく時間を配分して取り組むことが難しいと思っています。大学院に進んだり、社会に出てからもどちらも必要なことだと思うし、その両方をこなす建築家に自分はなりたいなと最近つくづく思います。こうしたことを考えると研究の教授と実務の建築家を兼ねるプロフェッサー・アーキテクトはとても理にかなっているなと思います。卒業設計はそうした道へと続く入口で、ここで見つけたテーマを一生かけてどんどんと広く、深く突き詰めていくきっかけにしたいと思っています。
最近、平田晃久さんの設計思想についての京大の論文をたまたま見つけ読んでみたのですが、すごい深い話が書かれており、設計と研究を両立しているなと思いました。(この論文読んでからギャラ間の展示会に行けばよかったと後悔してます。。。)自分も卒業設計を通して考えていることをこれからも続けていければと思っています。そう思うと、これまでの課題で考えたことの背景のようなものをもっと整理してとっておけば、自分のやりたいことが何かを探る作業がスムーズに進んだ気がして、若干の後悔が残っているなあと思っていたりします。ポートフォリオとしてまとめる作品集と同時に、スタディ過程や考えていることだけをまとめた裏ポートフォリオ的なものも作ると、その2つを互いに見比べることで自分の思想の整理がスッキリしそうと今さらながら考えています。この卒業設計が終わったら、忘れないうちに成果物とスタディの時に考えたことの2つのポートフォリオをまとめて公開したいなとか考えてます。
大変とは覚悟して臨んでいた卒業設計だけど、その想定すら超えてやることが多く悩むことが多くちょくちょく心が折れそうになるけれど、あと1か月と少しの時間、とことん自分のできるところを突き詰めたいと思います。
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