新型コロナウイルス感染症拡大が叫ばれてから、社会は大きく変化している。その中で生まれた、ソーシャルディスタンスや三密などの言葉が定着したことで、日常生活でのちょっとした動作や行動にもなんらかの力が加わっている。そこまで意識をしていなくても、前を歩く人とは自然と距離をとったり、反射神経的に人混みを避けるように動いたりしてしまう。行動の根底にこうした動きが深く根付いている気がする。
電車でも、同じような現象が起きている。線路と直角方向に座るクロスシートの車内(2人ずつ座るタイプ)では、皆がみな横に自分の鞄を置くことで席を占有していた。横に近くに座ってほしくないという抵抗からの行動であり、コロナ以前であれば、明らかにマナー違反であるような行動である。
しかし、今このような状況でそれを咎める人はもちろんいなく、皆そうすることがスタンダードであるということを共有している感までもあった。マナーという長い期間において人々の間で作り上げられたものは、世代間にギャップがあるとうまく共有することのできないものであり、良く衝突を生むが(特に電車内には多い気がする)、皆の意識が同じ方向を向いていると、割といとも簡単にマナーは変化していくのだと感じた瞬間であった。
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