SUEP.展「Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち」 TOTOギャラリー・間

6/8よりTOTOギャラリー・間でSUEP.展「Harvest in Architecture 自然を受け入れるかたち」が始まりました。SUEP.は末光弘和氏と末光陽子氏が共同主宰する事務所で、東京と福岡を拠点に活動しています。DesignPhilosophyとして「自然との共生」を掲げており、そうしたテーマにそった建築デザインを目指した活動をしております。また、事務所内に「SUEP.LAB」という組織をつくり、思考と実験と実線を繰り返しています。こうしたLABの活動はホームページ上でも公開しており誰でもアクセスできるようになっています。

本展覧会でも、自然との共生をテーマにした建築作品を中心とした展示がされており、循環する環境の一部として、あるべきこれからの建築の姿を問うものになります。

会場の中心にはLABとしての活動の模型が並びます。彼らが苗床と表現しているように、設計の前段階になる自然を受け入れる「原型」の模型になります。最終的に竣工する建築物と同等にアイデアの原型としての数多くの比較模型が並んでいたのが特徴でした。

光環境や日射の取得などのシミュレーションをはじめとして、風や地中など見えないものを可視化している模型が数多くありました。

一方で会場の周囲には壁面に沿うように実作品の断面模型がぐるりと並んでいました。それらの模型には、設計の際に検討した環境シミュレーションが重ねられており、検討と実際の形が同時に見えるような模型になっています。

3Fの中庭には今回の展示のためにパビリオンが作られ、実際に彼らがシミュレーションをし検討した空間を体験することができる。特に今年は例年以上に暑くなる夏季の展示のためより実感できるかもしれない。また、TOTOの工場から発生する廃棄物に着目し、座面にはアルミナボールが用いられている。アルミナは熱伝導性が高いためひんやりしている。

会期中にはさまざまな測定を行い論文としてまとめられる予定になっている。SUEP.として研究を設計と同じように重要視している姿勢がこうした展示でも表れている。

4Fには建築の大きな模型や工事中の写真などがならぶ。そのため、シュミレーションが並んでいた下階とは違い、より建築展らしい展示にはなっているが、下階でシミュレーションの数多くのスタディを見ていることから展示を見る前とは違う視点で建築スタディを眺めることができる。

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