隈研吾教授最終連続講義 第四回「街づくりとクラフト」 @安田講堂

前回から時間が空いての第四回はデザイナーの原研哉さん、街づくりのプロである鈴木輝隆さん、和紙職人の小林康生さん、左官の挟土秀平さんを招いての講演でした。個性的な人が集まっており、話がどのように行くかが講義前からとても気になるものでした。本当は深い話を聞きたかったのですが、今回は4人のゲストを迎えるということもあって、なかなかゲストの講演の時間がとることが出来ずそこは残念でした。ただ、小林さんの話などはとても興味深く、建築とは全然違う職人だからこそ話すことができることだと思います。個人滝には、原さんのRe:designの話はとても興味深く聞き入っていました。今ある、身近なデザインも疑問の目をもって見ることで、別の解釈に置き換えることが出来るということで、とても建築にも通ずることのある視点だと思います。サイン計画の話は、建築にも直接的に関わる話でもあるのだけれど、実際の建築に合わせて、その立ち振る舞い方は変化することが要求され、病院の洗濯できるサイン計画の話はとても面白かったです。

ディスカッションの中では、グローバルだからこそ、ローカルを見つけることの大切さが話に出ていたと思うのですが、ほんとにその通りだと話を聞いていて思いました。グローバル化が進む中で、どうしても均質化は避けられず、どこにいってもiPhoneを持ち英語を話す人がいる文明が世界中に増えていってると思います。そんな時代だからこそ、地域に立ちかえってみると、埋もれていた技術が見つかり、その技術は色んなものに応用することだできると思います。今回来てくださった、和紙職人の小林さんや左官の挟土さんはそういった技術を持っている方だと思います。機会があったら実際にそういった技術を見たり触れたりしたいと思います。

また、挟土さんから話があったように建築学科の設計課題では卒業設計であっても、仕上げなどは考えられていないのは事実だと思うし、カリキュラム上仕方ない部分もあるのかなと思います。設計課題の最終的の成果物はあくまで図面やパース、模型で実物をつくるわけではなく、短い時間で設計課題を行う上でそれに直接的に関与しない部分はどうしても後回しになってしまうんだと思います。隈研究室で行っているパビリオンづくりのように実際につくる機会があると素材やディテールもどうしても考えなくてはいけず、苦しみながらも考えぬく機会になりえるのだと思います。学生の課題がいくつかあるうちで少なくとも一つはそういう機会があるほうがより実践的に学べていいのかなとこの講演会を聴いて思いました。

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