テレワークが進んで郊外に住むという選択をする人も増えてきた中で、去年に開業した東急田園都市線の「南町田グランベリーパーク駅」とショッピングセンターである「南町田グランベリーパーク」に着目したい。もともとは、南町田駅とグランベリモールという商業施設があった場所に、東急が中心となって駅周辺の再開発が行われた。この計画によって、鶴間公園や駅舎、周辺の住宅なども含めた景観づくりが行われている。
開発と同時に設計され、新しくリニュアールした駅舎も従来の都市部によくありがちな駅の型にとらわれず、高い屋根に、斜め方向に大階段が伸び、グランベリーパークとシームレスに接続されていく。駅内に水が流れている事例は珍しいと思う。グランベリーパークと鶴間公園という、緑あふれる郊外に来たことを、電車を降りたタイミングで感じ取ることが出来る。地域の雰囲気が駅にまであふれ出る設計は、駅の固有性を確立していると思う。
南町田グランベリーパーク駅は、田園都市線で渋谷まで急行で30分で行けるという立地の良さもあって、都内に職場がある人には人気が出そうと思う。広々とした土地で緑豊かな住環境と、短い通勤時間を両立することの需要はいつの時代でも高い。田園都市線沿いは高校や大学も多く位置していることから、子育てにも適しているかもしれない。(高校や大学はすべてオンラインへと移行することはなく、通学のしやすさは引き続き求められるだろう。)
グランベリーパークのすぐ横には鶴間公園があり、サッカーやフットサル、アスレチックをする施設も整っている。子連れで、広場で遊んでいたり、ピクニックをして楽しんでいる家族も多くいた。また、ペットを連れている人も多くおり、散歩するにも気持ちが良いと思う。商業施設に遊戯施設が一体になっており、生活する場所として困ることは無いかのように思う。(何かあれば渋谷へ行けば何でもある。)
こういった、郊外での駅直結や駅周辺の開発を見ると、立川Greenspringsの時も思ったが、こういった開発が今後も東京の郊外と呼ばれる地域で活発に行われていくように思わされる。長い間、東京の一点に集中してきたものが、徐々に周辺へ分散していくのかもしれない。これまでは、住む場所が職場に左右されていたものが、よりその傾向が薄れ、住環境を重視していくと思う。場所や時間の両面で、職場に依存しない生活へと変わっていくことがアフターコロナの生活なのかもしれない。
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