小田急線の地下化に伴って生まれた、下北沢駅にほど近い細長い空地。BONUS TRACKはその空地にできた新築の商店街である。ここには、飲食や物販、SOHOなどがぎゅっと集まっている。たてものはメインとなる大きなものと4つの小さな棟に別れ、その間を縫うように通り抜ける場などを適宜に配置すること、かつて道空間にあった公共空間が編み込まれている。
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このBONUS TRACKには下北沢に対して抱く、雑多なイメージとはまた違う密度感があるような気がする。庇ひとつとってもそれぞれが違う形・素材をしているからかもしれない。なんとなく寄り添うことのできる居場所が展開され、ふらっと立ち寄ることが許容されているような空間だった。明確な目的がないと入り込めないような場所でなく、散歩中に気づいたら広場の真ん中に来てるような場所であるような気がした。つまり、目的意識が強く、そこに行く目的のためにある商業施設ではなく、日常に溶けこむように意識の中にあり続けるような商業施設の在り方であった。これは、住民にとっては従来の商店街に近いようではあるけれど、ここが違うのは、商店っぽくすぎないところだと思う。従来の商店街は、アーケードがかけられ、2階建ての建物が道路に対して向き合っているというタイポロジー化がされている。もともとは道に対してあったものが、一つの大きな目的地化することによって、用事のない人を受け付けないものになっているような気がする。利用者の固定化がもたらしたものが商店街の衰退でもあるとも思う。流動的に、人々が入れ替わりつつ、細く長くかかわり続けるような関係が、商業施設が街ととるよい関係だと感じた。
小田急とツバメアーキテクツによるプロジェクトは、ここだけではなく、ほかにもおこなわれるそう。街になじむ商業施設すぎない商いの形をみたいなと思う。
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