コロナの影響もあり、中に入るテナントの開業が遅れていた立川GREEN SPRINGSを訪れた。すっかり行くことを忘れていたが、研究会で話に挙がっていたこともあって行くことにした。このプロジェクトは、敷地の総面積が4万㎡もあるとても大規模な開発で、どうなるのか気になっていたものだった。(今思えば卒業設計でこれより大きいものを短時間で設計するなんて無謀なことをしていたと思える。)
1階部分を駐車場に割り当てて、2階レベルが歩行者のグランドレベルになるようにされている。横には昭和記念公園のもっと巨大な緑が広がっているという立地環境を考えると、なんとなくではあるが、その面に向けて連続させたくなるが、そこは思い切って切り分けて考えているなと思った。
昭和記念公園に向いている面は、主にホテルが入っておりそこからの眺めは東京にいるとは思えないようなビューだと想像できる。一度でいいから泊まってみたい。
2階部の中央は1万㎡の広大な広場になっており、とても緑が豊かな空間になっている。こういうものは、計画段階のパースの方がやり過ぎというくらい綺麗であることが多いが、実際の空間の方が緑が豊かであった。季節的に丁度、見どころだったのかもしれないが多くの人で賑わっていて気持ちのよい空間だった。
もう一つこの立川GREEN SPRINGSの大きな特徴は、敷地の一番北側の人工滝だと思う。人を凌駕するような巨大なスケールで立つ姿は圧巻であった。あまりにも巨大で維持することが大変そうだなと思うが、ただ、多くの親子が訪れて、親水空間で遊んでいる様子を見ると、この立川の土地に求められていた存在なのだと感じさせられる。これほど思い切った人工滝や似たような環境は、都内では中々無い気がする。
緑溢れる広場にいる人が近くの住民か遠くから来たかは分からないが、多くの人にとっての庭のように自分の居場所を敷地内部に見つけているようであった。同じようなことを都心部でやろうとすると(土地的にも難しいが)、人が多すぎて嫌気がさしてしまうが、都心部から少し離れた立川という土地では、丁度良く過ごしやすい場になるかもしれない。
今後、コロナによってより加速した、場所に依存しない働き方が定着していくと立川のような東京にも出やすい郊外は人気が出るかもしれない。この場所だけではなく、地域としての価値を高めようとする開発は面白く、個性をもった設計がされていくことに期待したい。
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